大学卒業論文で「スーパーカブの人気の秘密」を調査!松井 祐樹さんのバイクライフ

ちゃいフビライさん卒論

2023年11月20日。X上での、こんなツイートが話題になりました。

ホンダの原付バイク、「スーパーカブの人気の秘密」をテーマに、卒論を書くという大学生。

カブ愛好家たちによりX上で拡散され、ツイート主であるちゃいフビライさんのもとには、XのリプライやDMなどで120名の方から回答が寄せられました。

この現象からも、カブの人気が伺えますね。

1月には無事に卒業論文が完成したそう。

「若者のバイク離れ」といわれる中、カブをテーマに卒論を書く大学生とは、どんな人なんだろう?

平日バイクでは、ちゃいフビライさん(本名:松井 祐樹さん)の取材に成功!

松井さんのバイク歴や、卒業論文「スーパーカブの人気の秘密」について、話を聞きました。

ちゃいフビライさん卒論
左がちゃいフビライさん(松井祐樹さん)、右がライターのこばん

Contents

カブにどっぷりはまる大学生活

松井 祐樹さん(22)は熊本県出身で、大学進学を機に、神奈川県に引っ越してきました。

専修大学 商学部に通い、マーケティングを学んだ大学生です。

カブに乗るようになったきっかけは、神奈川県で一緒に暮らし、黄色いスーパーカブ110(JA44)に乗る2歳上の兄の影響でした。

松井さんが大学に進学したのは、2020年。コロナ禍で緊急事態宣言となり、外出が難しかった頃です。

「感染予防対策をしながらひとりで満喫できる趣味は?」という観点からも、バイクにはまっていきました。

最初に乗ったのは、クロスカブ110(JA45)

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普通自動二輪の免許をとるところからスタートし、無事、カブ主に。

「兄弟でかぶりたくない」、「スマートな形でかっこいい」と思って選びました。

初めて乗ったときから感動。

「最高の『下駄ばき』だ、と感じました。
どんな場面でも使用できる、汎用性の高い乗り物。
近所の買い物でも、長距離ツーリングでも、いろんな場面で乗れる。
これ以上ないバイクだなと思い、はまっていきました」

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初の長距離ツーリングは、大学1年(2021年2月)のとき。神奈川県から、実家の熊本県まで、兄とツーリングをしながら3泊4日で帰省しました。

その後、大学3年(2022年)の夏休みを使って3週間で、西日本を一周。沖縄県を除いて全県、走りました。

2022年6月には、クロスカブからハンターカブに乗り換え。

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西日本一周から1年後、大学4年生の夏休みには、1ヶ月で東日本を一周しています。

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宿泊はライダーハウスやキャンプ場、ネットカフェなどを活用し、旅を楽しんでいます。

バイクいじりも好きで、オイル交換、タイヤ交換、チェーン交換など、メンテナンスやカスタムも自分でするそうです。

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卒業論文について

大学4年生、2023年7月にテーマを決め、半年後の2024年1月の完成を目指し、卒業論文を書いていきました。

テーマを「スーパーカブの人気の秘密」にしたのはどういった経緯だったのでしょう。

「趣味として乗っているカブについて、調べたいと思いました。
また、スーパーカブが1億台売れたというところに着目して、どうやって売れたのか、理由を探したいと思ったんです」

実際に松井さんが書いた卒業論文の目次がこちらです。

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スーパーカブの歴史や販売戦略を調べ、3つの観点から情報をまとめました。

・経済性(お金)
・走行性能
・デザインと汎用性

その上で、独自の分析として、Xでカブ愛好家の方たちへのアンケート調査を実施。

さらにほかのオートバイとの比較や、自分で乗ってみての所感をまとめた上で、考察を行っています。

「スーパーカブのロングセラーの秘密は、コンセプト、つまり【なぜつくられたか】に着目するとすぐ出てきます。
『小さくて便利で快適なモビリティとしてだれでも気軽に乗れる』というのがコンセプトなのです」

Xでのアンケートを実施してみての感想を聞くと「想像以上の人数の方に答えていただけたことに驚きました」と話す松井さん。

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「Xのフォロワー数は少ないんですが、思った以上にカブ乗りの方からの反応が大きく、120名の方から回答をいただきました。
コンセプトと同じように、様々に活躍する便利な存在ということがわかりました。汎用性が高く、いろいろなシーンで使えることが便利と答える人が多くいました

仕事で使う方、趣味で楽しむ方、中には主婦の方で、ママチャリからスーパーカブに乗り換えたという声もあったそうです。

卒業論文について

卒業論文を書いてみて、何か気持ちに変化が生まれたかどうかを聞いてみたところ

「特に何も変わりません。自分のカブへの愛着がさらにわいたと思います。今の暮らしには、今のカブがベスト」

と、さらに愛車への愛情が高まったそうです。

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昨今いわれている「若者のバイク離れ」についても聞いてみました。

「若い方はバイクに乗ってない印象だけれども、時代の流れで仕方ないと思います。
1980年代バイクブームで、父もバイクに乗っていました。
流行はいろいろですし、昔は趣味の数が今ほど多くなかったと思います」

大学時代からカブにどっぷりはまった松井さんとしては、若いうちからバイクに乗る良さをどんなふうに実感しているのでしょう?

「やはり、時間があることですね。社会人になったら自由な時間が減ると聞くので。
ほぼ毎日出かけられますし、長期の旅を経験することもできました。
あとカブに関していえば、ほかのバイクに比べると車体価格は安く、学生でもがんばってお金を貯めたら買えるくらいなのがいいと思います。燃費もいいので最高です」

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おわりに

大学生活をカブとともに走り抜けた松井さんは、卒業後は整備士になるそうです。

「これから仕事が始まっても、カブは降りません。休日はリフレッシュツーリングに行けたら。気分転換で温泉に行くなど、学生時代よりも自由に使えるお金が増えると思うので、楽しみです」と話してくれました。

さまざまなシチュエーションで満喫できるカブだからこそ、一生の中での楽しみ方もいろいろなはず。

松井さんのこれからのバイクライフも、どんどん広がりをみせることでしょう。

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ABOUT US
こばん
大阪府出身、岡山県浅口市在住。カブで旅するフォトライター。愛車は空色スーパーカブ「ソラコ」。ゆったり、まったり「無理しないひとり旅」がモットー。